精神障害者の雇用のために
企業の「不安」を軽減する

企業側、障害者の双方が仕事、雇用を通じで社会参加する場合に、まず何から始めれば良いのでしょうか。そして、雇用される不安を解消するには、どこに相談すればよいのでしょうか。また、雇用する方にも同じことが言えるのではないでしょうか。さらに、企業は障害者の求人から就業に関して、何か問題が発生した時にどうすれば良いでしょうか。企業側ではトラブルが発生したときに、対処しきれない場合があります。このように企業側が様々な「不安」を抱いたままでは、障害者雇用に関して消極的になってしまいます。その点では企業側の不安感解消及び不安軽減を図ることは、障害者雇用面では大切な事なのです。
精神障害者の雇用・就職~面接の仕方・仕事のやり方
1. 精神障害者とは
1: 統合失調症
- 100人に1人の発症
- 原因不明(素質+ストレス)
- 治療で症状が治まっても能力障害と生活障害が残る。
症状:自発性の低下、感情の減少、意欲の減退、複数の問題への対応困難、疲れやすい、妄想など。
2: 気分障害(躁うつ病)
- 15人に1人の発症
- 原因不明(素質+ストレス)
- うつ病(約60%)、躁うつ病(約35%)、躁病(約5%)
→うつ症状:憂うつ気分、不安、無気力、思考がまとまらない、自責、自信の低下、食欲不振、睡眠障害
→躁症状:自信過剰、疲労知らずで活動的、能力過信、浪費
- 日本の自殺者3万人は、うつが原因であることが多い。
3: その他の精神病
- アルコール依存症:慢性飲酒によるコントロール障害。
- てんかん:大脳神経のけいれん発作が主な症状。
- 神経症:強迫性障害、不安障害、解離性障害、転換性障害など。
2. 特性
- 誠実(うそがつけない)
- 正確(個人差がある)
- 迅速(個人差がある)
- 疲れやすい
- 言葉や数字、文字による意思の伝達が可能
- 応用が苦手
- 引っ込み思案
3. 就職面接の仕方
一般の方と同じ質問をしましょう。
会社(貴社)で働きたいと思っています。従業員として必要な質問はしましょう。
「やさしく、ゆっくりと」
緊張のため睡眠不足で面接に臨んでいる可能性があります。
また緊張で思考停滞状態の可能性があります。
返答が無い場合は、もう一度主旨を繰り返しましょう。
質問の主旨が理解できず返事に時間がかかったり、複数の事を同時に問われることが苦手です。
4. 仕事の組み方
- 単純な仕事を手始めとして、慣れるに従いノルマや難易度を上げましょう。
- 一連の作業工程がある場合には、本人にメモを取ってもらったり、手順表を作成すると効果的に覚えられます。
- 職場の指導者(相談相手を兼ねる)を選定しましょう。
- 問題が生じた場合は、速やかに関係者に相談しましょう。
「この程度のことで・・・」と躊躇は、連携の阻害要因となります。
5. 対応上の留意点
精神障害者は、個人差が大きいので、病名より個人の状態で見ていく必要があります。
- よい点を探しましょう
→よい点を評価しましょう。
何もないときは「今日一日が無事に終わった」ことをともに喜ぶことでもよいでしょう。
- 注意の仕方について
→個別に柔らかい口調で話しましょう。
「怒られた」という事実で頭が一杯になってしまうことがあります。
理解できたのかの確認もすると良いでしょう。
- 不安について
→ちょっとのミスを大げさに受け止め、自己否定感をもってしまう傾向があります。
- 勤務時間について
→調子の悪いときに休みを取りやすくしましょう。
短時間勤務から始められるようにしましょう。
- 残業時間や休日出勤について
→真面目さや責任感から自発的に行ったり、断れない傾向にあります。
オーバーワークにならないようにしましょう。
→休日を利用して自助グループ等へ参加している方もいます。
就労継続のためにも、休日を確保するようにしましょう。
- 通院・服薬について
→定期的な通院、服薬は不可欠です。
通院のための時間の確保や服薬しやすい環境にしましょう。
- 質問・相談への対応
→対応者を1人に決めましょう。
複数で対応が異なると混乱してしまいます。
- 家族との連携
→本人を抜きにして、企業と家族が連絡を取り合うということは避けましょう。
本人の自立心・自尊心を傷つけてしまう場合があります。



